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World

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​世界の歴史



聖魔戦争
 

​「人間と精霊は共存できるのか?」

生命の根源が異なる人間と精霊。かつて、ふたつの種族を巡る争いは絶えず、ついに戦争へと至った。聖の精霊をはじめ、共存を謳う精霊と人間は手を組み、憎き人間の世界を滅ぼさんとする魔の勢力と争った。この戦いはやがて「聖魔戦争」と呼ばれるようになる。聖の勢力において、人間側で最も功績を挙げたのは4人の勇者だった。

時の騎士イージス

光の巫女エレナ

幻影の魔女パトリシア

不死の賢者ライナス

彼らは精霊たちとともに世界を巡り、魔の勢力と戦った。聖魔戦争の結末は、聖の勢力の勝利で幕を閉じるが、その代償は大きく、イージス、エレナは命をかけて魔の精霊を封印し世界を救った。そして、4人は英雄として永く世界に名を遺すことになる。



プログレス学園の設立
 

「やがて来たる運命に抗うために」

生き残った英雄のひとり、幻影の魔女パトリシアは未来予知の力を持っており、やがて再び魔の勢力が世界を侵略することを危惧した。彼女は、長寿のエルフであるライナスに未来を託すことにする。いつの日か、世界が再び闇に包まれたとき、立ち上がる希望を育てるために、学園を創って欲しいと――。

ライナスは、イージスの精霊であった天空の精霊と時の精霊とともに「プログレス学園」を創設する。その地は、世界地図には載っていない。人間が訪れ得ぬ場所、空の彼方に存在しているからだ。選ばれし者のみ足を踏み入れることができる神秘の学園は、いつしか世界中の人々の憧れとなる。



イージスの名を継ぐ者
 

「僕を忘れないでいてほしい」

天空の精霊アルブスは、主であり友であったイージスとの約束を守るため、永きにわたり世界を見守り続けていた。そして、運命の少女と少年を見付ける。太陽の光を纏うメリアという少女と、イージスの面影を感じるアランという少年。ふたりを見たとき、彼は直感した。魔の精霊の復活が近いことを。しかし、魔の精霊の呪いにより、イージスの記憶を継承していたアランは、その記憶の重さに壊れそうになっていた。彼を憐れに思った天空の精霊は、時の精霊とともに、アランの記憶を封じることにした。彼が自らの意思で、運命を受け入れると決める日まで。そして、少年と少女の出会いが世界の未来を変えていく。


用語

 



精霊
 

力が意思を持ち、命を宿した存在。自然界から生まれた者と、人間の強い信仰心によって生まれた存在がいる。前者は存在そのものが世界の構造と密接に関わっているため、強大な力を持ち、人間たちからも畏怖の念を抱かれやすい。後者は人間の信仰心が原動力のため、忘れられてしまえば消失する儚い存在である。

精霊は人間と契約する際に名を与えられ、その名を通して人間と強い結びつきを得る。元から強大な力を持つ精霊にとっては、名はただの記号に過ぎないが、人間に生み出された精霊は名を与えられることで存在意義が増し、力を増幅させることができる。



聖の精霊
 

精霊界においてもっとも力を持つ太陽の精霊。「聖王」と呼ばれており、多くの精霊はその支配下に存在している。天空の精霊、虹の精霊は聖王直属の配下であり、聖王の命令を受けて人間界に干渉することもある。偉大な精霊ではあるが、精霊と人間の共存を望む友好的な性格で、かつて聖魔戦争においては大勢の精霊を率いて人間とともに魔の精霊に対抗した。



魔の精霊
 

憎しみ、悲しみ、怒りといった人間の負の感情や、この世を去った精霊たちの無念が力となり生まれた精霊。感情こそが力の根源のため、強い思いに惹かれやすく、この世に感情というものが存在する限り何度も再生する。英雄イージスによって時空の狭間に封印されるが、彼の「忘れないでほしい」という思いを食らい、世界に英雄イージスの記憶を継ぐ者が再び現れる呪いをかけた。



魔物

 

人間の負の感情と魔の精霊の残滓から生まれた闇の眷属。

魔の精霊の復活を目論んでおり、再び世界を闇で染めようと各地で暗躍している。



精霊信仰
 

聖魔戦争で聖の勢力が勝利した結果、世界では精霊信仰が盛んになる。主に世界的に信仰されている精霊は、太陽、月、星の精霊であり、三大精霊と呼ばれるそれらは身近な存在ではなく、神のような概念的存在として崇められている。他にも、その土地を守護している精霊は、国ごとに祀られている。また、人間たちは自然界と共存する意思の象徴として、名前に花の名を継ぐ伝統が広った。

この世界の挨拶として「あなたに光の加護がありますように」と言葉を交わす習慣があるが、この光にはそれぞれが信仰している精霊、たとえば太陽の精霊を信仰している場合は「陽の光の加護」、月の精霊であれば「月の光の加護」といった言葉が入る。もちろん、別の精霊を信仰している場合は、「風の導き」「虹の祝福」など地域ごとの表現もあるため、その国や相手に沿った言葉を伝えることが大事である。



​白影症(はくえいしょう)
 

各地で患者が見つかる不思議な症状。ある特定の記憶を思い出そうとすると、それに関わる景色が霞み、まるでモノクロの世界のように見えてしまう。その記憶を忘れてしまえば命に関わる症状ではないが、その記憶が当人にとって大切な記憶であり、何度も思い出そうとしてしまうと、記憶の喪失によって受ける精神的なダメージは大きくなる。その結果、心がすり減り、虚ろな状態になってしまう例もある。患者が言うには、まるで儚い夢のように何も思い出せない。記憶のない白い世界なのに、何かがあったという影だけが存在している。

ルース・フリージアは過去にそれを患い、兄のイース・フリージアによって治療される。その後、イースは原因と考えられる「夢の精霊」を追っている。



​精霊術師
 

聖術のひとつである精霊術の担い手「精霊術師」。その名の通り、精霊の力を使う術者であるが、精霊術師には2つのタイプがいる。

一般的には契約した精霊、もしくは協力関係にある精霊から力を借りる精霊術師が主流だが、少数派に憑依型精霊術師がいる。憑依型とは、術者という器に精霊が宿り、力を行使するタイプである。精霊の力をひとつの器に集中させることができるため、強力な力を発揮することが可能だ。その反面、術者への負荷が高いため、無理な憑依は術者の身を危険にさらすことになる。憑依型タイプは、いかに精霊と相性がいいかが鍵となる。そのため、器となる人間は強い自我がなく純粋な者が好ましい。なかには、精霊と心を通わせ、精霊と器の意思が乱れることなく、両者の自我を保ったまま力を発動させることができる者もいる。



魔術と聖術
 

人間の体内には必ず魔力が宿っている。その量には個人差があるが、魔力を力として具現させる術が魔術であり、一方で自然界に宿る力を借りて使用する術が聖術である。​聖術においては、自然界との相性や心の美しさが、より力を集める鍵となる。



​魔工学と魔導具
 

少量の魔力でも道具を介すことで威力を上げることを可能にした学問。当初は魔術師への対抗手段として戦の道具に使われていたが、今は旅人の旅路を支援する便利道具や、魔術が使えない人々の日常を彩る道具として広く活用されている。

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