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運命に囚われた氷の少年
アラン

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アラン・ウィル・イージス

Alan Will Aegis

チーム「エターナルライト」のメンバー。英雄の意思を継ぐイージス家の子息という高貴な身分と、クールでミステリアスな雰囲気を纏うことから、学園の生徒には氷の王子様と呼ばれている。何事も器用にこなす天才肌ではあるが、内面は天然で純粋。独特の感性を持ち、よく周囲を驚かせる。

クラス:戦闘攻術
専攻:剣術
武器:双剣
属性:氷、時
花:胡蝶蘭、アストランティア

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アラン・ウィル・イージス

Alan Will Aegis

チーム「エターナルライト」のメンバー。英雄の意思を継ぐイージス家の子息という高貴な身分と、クールでミステリアスな雰囲気を纏うことから、学園の生徒には氷の王子様と呼ばれている。何事も器用にこなす天才肌ではあるが、内面は天然で純粋。独特の感性を持ち、よく周囲を驚かせる。

性別:男

誕生日:1月6日

​出身地:クロノスポール

クラス:戦闘攻術
専攻:剣術
武器:双剣
属性:氷
花:胡蝶蘭、アストランティア

仲が良い:メリア、ベティ

​仲が悪い:ディック(警戒)

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出自

降り積もる雪景色を隔て、厚い壁に覆われた建物の中には、歴史的書物とかつての聖魔戦争の遺物が眠っている。時空の都市、そう呼ばれる所以はそこにあった。決して解けない氷のように、かつての歴史を閉じ込めた場所。そこがアラン・ウィル・イージスの故郷だった。とはいえ、彼にとっては故郷という自覚はなく、彼の記憶の中にある馴染みの深い景色はもっと遠い場所であるように感じていた。英雄イージスの伝承を語り継ぐことに重きを置いた時空の都市は、彼にイージスの意思を継ぐ者としての自覚を否応なしに迫る。その影響もあってか、アランはその地を離れ学園を訪れたとき、出会った太陽を一層眩しく感じたのだ。「俺は君という光に出会うために、生まれてきたのかもしれない」そう思うほどに。

好き・得意

アラン・ウィル・イージスの食事は徹底的に管理されていた。彼が健康を損なわないように、より多くの知識を身に着けられるように、栄養価に重きを置いた食事を無言で口に運ぶ。その行為は彼の空腹を満たし、雪国で冷えきった身体を温めはしたが、空虚な心を満たすことはなかった。だからだろうか、アランは放課後学園で学友とともに初めて食したアイスの味を忘れられなかった。故郷のように冷たいアイスは不思議と彼の心を満たし、身体に染み渡る甘い味にひどく惹かれた。食事を栄養補給ではない形で、楽しんだのはその日が初めてだった。それから、チーム『エターナルライト』の部屋の冷蔵庫には、常にアイスの備蓄が置かれるようになった。

嫌い・苦手

彼は雪と雨があまり好きではない。それは故郷の冷たさを思い出させるからでもあるが、記憶の中の大切な誰かが悪天候を嫌っていたからである。澄み渡った青空は彼に安心感をもたらし、曇天は彼の心を曇らせた。だが、周囲の大抵の人は彼の感情の揺れに気付かないだろう。彼の表情の変化は、あまりに些細なものだから。それでも、隣を歩く少女と少年はその変化を感じ取ってくれた。

「辛気臭い顔をするな。僕まで憂鬱になるだろう」「早く晴れるといいよね。そしたら、みんなでピクニックをしようよ!」

例え悪天候に心が陰ろうとも、友の声が彼に安寧をもたらしてくれる。彼にとっては、それだけで充分だった。

趣味

休日を、学園の近くにある精霊の森でよく過ごすアラン。森を散歩するわけでも、動物と触れ合うわけでもなく、ただただ空を眺めて過ごしている。鳥たちのさえずりを聞きながら、何も考えずに空を眺める何にもない時間だが、それが何より彼にとって心地よい時間なのだ。青空を眺めていると、時折鳥が空を飛ぶ姿を見かけることがある。そんなとき、アランは無意識に微笑んでいる。自由に空を飛ぶ鳥を美しいと思う。その感情が自分のものなのか、記憶の中の別の存在のものなのか。どちらにしても、彼は青空と鳥を愛していた。

​「空の果ては、どこに繋がっているのだろう……。どうしてこんなにも、空と光に恋焦がれるのだろう」

メリアについて

メリアという少女は、アランにとっての希望だ。未来を示す絶対的な光であり、氷の心を解かす温かな太陽だ。彼女と出会わなければ、アランの時は永遠に止まっていたままだった。初めて自分を、「アラン・ウィル・イージス」ではなく、「アラン」というひとりの少年として見てくれたメリアの存在は、アランの中で大きく輝いていた。押し寄せる記憶の渦も、背負った重い運命も、彼女といる時間には全てが無に等しかった。

特別に楽しいことがあったわけでもないのに彼女は笑い、辛いことがあっても彼女は前を向く。その理由が知りたいと、彼女の笑顔をずっと傍で見ていたいと、いつしかそう思うようになっていた。

「メリアは俺の生に意味を与えてくれた。感謝してもしきれない、大切な存在だ」

ダグラスについて

何をやらせても器用にこなしてしまうアランにとって、最も難解なのは「友達」という概念だった。友の定義とは何か、どうすればなれるのか。その課題は完璧に近いアランの前に立ちふさがった。

「僕はお前の友達じゃない。お前のことが嫌いだ」

ダグラス・グランローズは正面から何度もアランにそう告げた。しかし、その言葉はアランが諦める理由にはならず、むしろ彼の純粋な好奇心を刺激した。どうして嫌われてしまうのか、どうすれば彼と仲良くなれるのか。自分に真っすぐ思いを伝えてくれるダグラスという人間は、アランにとって興味を惹かれる人物となった。

「俺はそんな風に気持ちをぶつけてくれる存在を好ましいと思う。友達になれたら良いのだけれど」

ベティについて

イージス家とワイス家は、古くから交流が深い。そのため、アランとベティもそれなりに付き合いが長く、幼馴染ともいえる。互いに名の知れた貴族の子ということもあり、育ちの苦労を理解し合っている。しかし、アランから見てベティは他の貴族とは明らかに異なっていた。ある時は上品で大人しい淑女、またある時は女性を虜にする美少年、天真爛漫な女の子のように明るい笑顔を浮かべる日もある。様々な顔を持つ彼女に出会うたび、アランは彼女のことがわからなくなる。それと同時に、確かな個のない彼女に親近感を抱くのだった。

「今俺が話している君は、どの君なんだ?」

​「君がベティと思えば、それが君にとってのベティさ」

イージス家について

イージス家はその名の通り英雄イージスの記憶を継ぐことを使命とし、かつての歴史を繋いでいく一族だ。記憶の継承にはバラつきがあり、記憶を継承しない者の方が多い。たとえ記憶を継承したとしても、その膨大な記憶量に自我が押しつぶされ、長く生きられた者はいない。歴史を重んじるクロノスポールでは、その記憶こそが最も重要な記録であり、イージス家の人間そのものが国の宝といえる。そのために、イージス家は高い地位に置かれている。

アランの中には英雄イージスの記憶の断片が残っている。それがアランがイージスの意思を継ぐ特別な子とされる理由だ。だが、それは鮮明な記憶ではなく、ぼんやりとした残像のようなものだった。それでも、アランの身体はイージスの記憶を受け継いでおり、幼き頃からかつて彼が得意とした剣術を自由自在に操ることができた。

感情が乏しく、意思の弱いアランは、イージス家の者たちに英雄イージスの生まれ変わりとして扱われ、やがて彼をひとりの少年『アラン』として見るものは周囲からいなくなった。

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